エアコンの冷気はどこで作られる?
2025年06月25日category:店舗・オフィスエアコン
街を歩いているとエアコンの室外機をよく見かけます。
先日、室外機の前を通った人が室外機からの風を浴び「暑い!これが地球温暖化の原因や!」という声が聞こえてきました。
本当にエアコンの風が地球温暖化の原因になっているのでしょうか。
そもそもなぜ室外機から熱い風が出て、室内では涼しい風が出るのでしょうか。
今回はエアコンの仕組みをペットボトルを使い簡単にご紹介します。
常温の水を入れ、密閉したペットボトルを想像してください。
このペットボトルに圧力を加え、ギューッと圧縮していきます。
密封されたペットボトルを思いっきり握り続けるイメージです。
密閉状態で圧縮されたペットボトルは高圧になり、中の水の温度が上昇します。
次に高圧で高温状態のペットボトルに、ペットボトル内の圧力はキープしたまま扇風機の風を当てます。
するとペットボトルは風で冷まされて、いずれ再度常温の水に戻ります。
これによりペットボトル内は高圧で水は常温といった状態になります。
次に高圧常温のペットボトルを膨張させて内部の圧力を元の状態に戻します。
握り続けていたペットボトルをパッと離すイメージです。
これにより内部の圧力が一段階前の状態より下がるとともに、内部の水も温度が下がります。
最後にこの標準圧で低温になっているペットボトルに扇風機の風を当てて標準圧のまま常温の水に戻します。
ペットボトル内の水の温度を変化させるのに扇風機を2回使いました。
1回目の温度を下げる際に当てた風はペットボトルの温度を奪い、暖かい風として吹き抜けます。
そして2回目の温度を上げる際に当てた風は冷たい風になり吹き抜けます。
これこそがエアコンの原理になり、冷凍サイクルと言ったりします。
この仕組みは圧力変化と温度変化、状態変化の特性を組み合わせて空気中の熱エネルギーを取り出すヒートポンプというものです。
熱エネルギーの移動になるので室内の温度を下げた分と同等のエネルギーを排出しています。
その為、室外機からは熱風は出ていますが地球温暖化の直接的な原因ではないと言えます。
厳密にはこの仕組みを利用するのに電気を使っているので全く無関係ではないですが…
少しの電気エネルギーで大きな熱エネルギーを生み出すことができるので省エネ性には優れていると言えます。
エアコンの基本的な仕組みは昔からあまり変わっていません。
またこのヒートポンプはエアコンだけでなく給湯器や自販機など、さまざまなものに使われています。
オフィスを見回してみると身近なところにヒートポンプ技術が潜んでいるかもしれませんね。